峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
晴れたら着て行くつもりだったスカートを止めて、あたしはジーンズにした。

赤いPコート、首には白いマフラーをグルグル巻いた。


赤は、峰岸が好きな色だから。


時計は12時45分。

バス停までは、歩いて5分くらい。



机の上にある鏡で前髪を整えて、あたしは引き出しから手紙を出してポケットに入れた。


峰岸に出せなかった手紙だ。


十枚以上増えた手紙の中から、あたしは最近書いた手紙を選んだ。



峰岸に、渡すんだ。


言うんだ。
伝えるんだ。


ずっと好きだったよ。


あたしは今年、東京に行くよ……って。


ジーンズの裾をブーツに入れて、あたしは50分に玄関を出た。









道路には新しい雪が積もっていて、大通りに出ると、除雪車が唸りながら動いてた。


手袋の上から白い息を吐いて手を温める。


ブーツの下、踏み締める雪の音を聞きながらバス停へと向かう。



ドキドキしてた。



峰岸に、会える。



顔が見れる。



峰岸。

あたしね、雪を全て溶かせるんじゃないかってくらい…顔がほてるんだ。

峰岸に会えるってだけで、こんなに幸せなんだよ。
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