峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
軽く身震いして、肩をすくめる峰岸。


目の前に、峰岸がいる。

嘘みたいだ。



「昨夜のメール、見た?」
「…うん、峰岸、ずいぶん遅くに帰って来たんだね?」

緊張して声が震えた。

「ホントはさ、夕方に着く予定だったんだ。でも寒波がきてるじゃん?そのせいで東京にも少し雪が降ってさ。遅れに遅れて…駅に着いたの夜11時過ぎだよ?」


信じられないよな?と、峰岸は笑う。


あたしは、そんな峰岸を見上げる。


峰岸、背が伸びたね?

髪型も、中学の時とは違うね?
最近っぽく、少し長髪。

肩幅もがっしりしてきたね?

……また、かっこよくなっちゃったね。


でも、笑う瞳は変わらない。


峰岸。

どうしよう。


呼吸が、止まりそう。



「永山、ずいぶん大人っぽくなったね」
「そう…かな?」
「うん、かわいくなった」



馬鹿………。


そんな事、笑いながら言われたら……嬉しくて……倒れちゃいそうになる。



呼吸が止まって、倒れちゃうよ。



峰岸。

会いたかったよ。

淋しかったよ。



でも、会えた。


待ってて良かったよ。

追い掛けてきて、良かったよ。
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