峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
それが峰岸とあたしの関係だから。



峰岸はあたしの友達で、峰岸にとっても、そう。



あたしは、峰岸の聞き役でいいんだ。



男と女の友情なんて無いって言う人もいるけど、あたしはあると思う。


変わらないものってあると思う。



峰岸の宇宙飛行士になるって夢が、ずっと変わっていない様に。




同時に、夢を持ち続けている峰岸はすごいとも思う。


羨ましいと思う。




一つの事に夢中になるってどんななんだろう。



「峰岸は、宇宙飛行士以外に夢を持った事ある?」

「何で?」

「何となく」

「ふぅん…」


峰岸はうなづいて、それからまた、空を見上げた。



遠い遠い…瞳。




「宇宙以外の夢なんか、俺にある訳ないじゃん」


当たり前の様に言う。



「そうだよね、ある訳ないか」

「そうだよ、何言ってんの?永山」




あたしは、宇宙飛行士になる為に、努力をしている峰岸を知ってる。



峰岸の部屋は、宇宙の本ばかり。
大きな天体望遠鏡もある。


勉強も頑張っている。
峰岸は学年で2位以下になった事はない。



部活だってやってるのに。
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