峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
二年過ぎた頃、あたしは仕入れを任される様になった。


やり甲斐があった。


友達の紹介で、澤村くんに会ったのは、その頃。


美容師の澤村くんとは、なぜか最初から気が合って、そんなにたたない内に付き合う事になった。


澤村くんは優しくて、すごくあたしを大切にしてくれた。


笑顔が少しだけ…峰岸に似てたからかな。

あたしは澤村くんに、少しずつ気持ちが打ち解けていくのを感じた。


この人なら、峰岸を忘れさせてくれるかな?

忘れさせてなんて傲慢だけど、これ以上、どう努力すれば忘れられるのかって…わからなくなってきてた。


だって、峰岸との思い出が見えてしまうんだ。

晴れた空や雲、赤い自転車、桜の花や曇り空…雪…。

一年中、春夏秋冬…峰岸との思い出が、切実だったあたしの想いが…その辺に、日常に景色に散らばって、思い出させる。


それを無くす方法が、あたしにはわからないんだ。


わからないんだ……。


あたしは大人になりたいのに、峰岸を見ても平気なくらい、大人になりたいのに。


峰岸と離れて、四年以上過ぎたのに……。
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