峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
峰岸に感じていたドキドキとは違うけど、その安らぎは心地良くて…確かに心地良くて…あたしは澤村くんが、このまま峰岸をあたしの中から追い出してくれるだろうと感じた。


そばに居てくれる澤村くん。
当たり前の様に、隣に居てくれる。


一緒にご飯を食べて、買い物に行って、テレビを見ながら話したりして、休みの日は一緒に出掛けたりして。


その日常が、幸せなんだ。


安らぎなんだ。


あたしは、澤村くんの為にって考える様になってたんだ。







それから一年後の初夏、あたしは澤村くんからプロポーズされた。



少し…迷った。

自分でも意外だった。


一瞬、峰岸が浮かんだんだ。


澤村くん…こんなあたしでも、澤村くんと一緒に居ていいのかな?

結婚しようって、言ってくれるんだね?



峰岸には、あの雪の日…サヨナラをした。

一晩中泣きながら、サヨナラを呪文みたいに繰り返した。


あれからもう、八年過ぎてるんだ。



大丈夫だよね。


あたしもう、大丈夫。


澤村くんと、幸せになれるよね?



あたしは、澤村くんのプロポーズを受けた。
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