峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
だから、必ず行ってほしいんだ。

宇宙に行って、夢を叶えてほしい。

ただ、それだけ。
それだけなんだよ。




なのに、何でなんだろうね?

神様って、悪戯好きなのかな?



会わない限り、思い出す事はないと、会う事は無いって信じてたのに………。





居るはずないよ。





…峰岸が今……こんな所に居る訳ない……。










午後9時。
早番だったあたしは、いつも通りの仕事帰り。


都会の夏は暑いんだ。

昼間の熱気がアスファルトにこもって、蒸す暑さ。
ヒートアイランド現象の改善とか言われてるけど、充分暑いよ。

たまに耐えられなくて、地元東北の気候が懐かしくなる。

ホント、都会って暑い。


あたしは駅に向かって歩いてた。


すれ違うサラリーマンは、スーツじゃなくてクールビズ。
ラフな格好で居酒屋ののれんをくぐってる姿が多い。

確かに、こんなに暑いと帰りがけに冷たいビールって気持ちわかるよ。



駅に向かう道、いつもと同じ。


あたしの向かいから、20代のサラリーマン数人が歩いて来てた。


笑いながら話してる。

盛り上がってるみたいだ。
< 52 / 94 >

この作品をシェア

pagetop