峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
2
中学3年の春中旬。
桜の花も散り、緑の葉っぱが目立つ頃。
中体連間近、陸上部も遅くまで練習をやってた。
ハードルで出場が決まってるあたしにとっても、最後の中体連だ。
できれば入賞したいな。
夜7時。
練習を終えたあたしは、いつもの様に自転車置き場へと向かう。
バックから鍵を出しながら、視線はつい…峰岸の自転車を確認してしまう。
峰岸の自転車は赤い。
後輪のカバーにふざけた文字で“フェラーリF40”と書いてあるからすぐわかるんだ。
峰岸の自転車は、まだ停まってた。
剣道部はまだ終わらないみたい。
たまに自転車置き場で会う事もある。
「一緒に帰ろっか」
峰岸は笑って、いつもそう言うんだ。
停まってる峰岸の自転車を見て、剣道部を覗いてみようかと思って…やめた。
わざわざ見に行く自分がおかしいと思ったからだけど。
別にいいじゃん。
峰岸は峰岸だもん。
自転車を押し、帰宅しようとしたあたしの視界に、昇降口前で話す二つの人影が飛び込んできた。
自転車を押していた手を止め、立ち止まる。
桜の花も散り、緑の葉っぱが目立つ頃。
中体連間近、陸上部も遅くまで練習をやってた。
ハードルで出場が決まってるあたしにとっても、最後の中体連だ。
できれば入賞したいな。
夜7時。
練習を終えたあたしは、いつもの様に自転車置き場へと向かう。
バックから鍵を出しながら、視線はつい…峰岸の自転車を確認してしまう。
峰岸の自転車は赤い。
後輪のカバーにふざけた文字で“フェラーリF40”と書いてあるからすぐわかるんだ。
峰岸の自転車は、まだ停まってた。
剣道部はまだ終わらないみたい。
たまに自転車置き場で会う事もある。
「一緒に帰ろっか」
峰岸は笑って、いつもそう言うんだ。
停まってる峰岸の自転車を見て、剣道部を覗いてみようかと思って…やめた。
わざわざ見に行く自分がおかしいと思ったからだけど。
別にいいじゃん。
峰岸は峰岸だもん。
自転車を押し、帰宅しようとしたあたしの視界に、昇降口前で話す二つの人影が飛び込んできた。
自転車を押していた手を止め、立ち止まる。