峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
それだけ、峰岸は楽しそうだったんだ。

だから信じられる。

峰岸の帰りを待てる。


楽しくてしかたがないんだよね?

嬉しくて、はしゃいじゃうんだよね?

抑え切れないんだよね?



あたしは子供の頃から、初めて会った日から、峰岸に宇宙を聞かされてた。


だから、どれだけ峰岸が宇宙を愛していたか知ってる。


宇宙へ行って、更に想いが深まっている事も、笑顔を見ればわかる。




宇宙からの中継、峰岸はこんな事も言ってた。


(初めて宇宙から地球を見た感想は?)


テレビだから、普通はみんな言葉を考えちゃうんだろうけど、峰岸は即答だった。


(綺麗です。言葉で伝える事は不可能です。想像を遥かに越える美しさです)



飾らない峰岸の言葉。


あたしはいつでも、峰岸のそんなひたむきさに惹かれてた。


離れてる今だって、こんなに惹かれてる。



あたしも抑え切れないから、迎えに行くんだよ。


待ち切れないから行くんだ。


行って、驚かせてやるんだから。



帰って来るシャトルの窓から、あたしは見えるかな?

峰岸は気付くかな?


見つけてくれるよね?

峰岸。
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