峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
14
夢を見た。
どうして夢だってわかったのか。
よくわからない。
けど、夢なんだ。
だって、赤いランドセルを背負ったあたしが居たから。
黒いランドセルを背負った峰岸が居たから。
(峰岸くんの夢は何?)
(…………宇宙飛行士)
大きな古い桜の木。
満開の桜の木。
ピンクの花びらは、まるで優しい吹雪みたいに、あたしと峰岸の周りを舞う。
(どうか、峰岸くんが宇宙飛行士になれます様に)
(ありがとう!永山さん)
花びらを差し出したあたしの手から、花びらを受け取る……峰岸。
舞い落ちる花びらが、あたしの鼻先に落ちて……溶けた。
冷たい感触に、あたしは空を見上げる。
厚い雪雲……白い……雪?
(ねぇ、永山は覚えてる?)
黒いダッフルコート、グレーのマフラー……。
手の平を空に向けて笑う……18歳の……峰岸だ。
(小学校に、古い桜の木があったろ?)
うん……覚えてる。
あたしが願いを込めた花びら、あけだよね。
(嬉しかった)
峰岸の腕が伸びて……あたしを……抱きしめる。
峰岸……温かいね。
どうして夢だってわかったのか。
よくわからない。
けど、夢なんだ。
だって、赤いランドセルを背負ったあたしが居たから。
黒いランドセルを背負った峰岸が居たから。
(峰岸くんの夢は何?)
(…………宇宙飛行士)
大きな古い桜の木。
満開の桜の木。
ピンクの花びらは、まるで優しい吹雪みたいに、あたしと峰岸の周りを舞う。
(どうか、峰岸くんが宇宙飛行士になれます様に)
(ありがとう!永山さん)
花びらを差し出したあたしの手から、花びらを受け取る……峰岸。
舞い落ちる花びらが、あたしの鼻先に落ちて……溶けた。
冷たい感触に、あたしは空を見上げる。
厚い雪雲……白い……雪?
(ねぇ、永山は覚えてる?)
黒いダッフルコート、グレーのマフラー……。
手の平を空に向けて笑う……18歳の……峰岸だ。
(小学校に、古い桜の木があったろ?)
うん……覚えてる。
あたしが願いを込めた花びら、あけだよね。
(嬉しかった)
峰岸の腕が伸びて……あたしを……抱きしめる。
峰岸……温かいね。