峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
青い空、もくもくと地面から生えてるみたいな夏の入道雲。


まるで、空のパノラマだ。





……………峰岸は?



あたしは辺りを見回した。


峰岸が居ない。



どこに行ったの?



峰岸、どこに居るの?






峰岸を捜すあたしの耳に、地鳴りみたいな音が響いた。


……何?




音のする方向を見つめる。




………白い……シャトル?


そこには、オレンジ色の光を放ちながら、白煙を吐きながら……空へと一直線に昇るシャトルの姿があった。



脇目も振らず、ただ空を、その先にある宇宙だけをひたむきに追い掛けて、昇っていくシャトル。



厚い雲を突き破り、高く……高く……。


あたしが追い付けないくらいの速さで、届かない高さまで。




ただ、空だけを追い掛けて……。







峰岸が乗ってる。





なぜか、そう思えた。




峰岸はシャトルに乗って…宇宙に行ったんだ。





透き通る空、青い空、シャトルが残した細い雲が、風に流されて消えていくのを見つめながら………あたしは、そう思った。
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