峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
15
峰岸は、帰って来なかった。
峰岸の乗ったシャトルは、耐熱タイルか何かの影響で、大気圏内突入の際の高熱に耐えられず…とか何とかテレビでは言ってた。
よく、わからなかった。
ただわかるのは、峰岸がそばに居ない事、もう帰って来ない事、それに対する現実感がわいてこないまま、空しくても悲しくても、張り裂けそうな胸の激痛にも…泣けないあたしだけだった。
峰岸の乗ったシャトルと一緒に、あたしの感情も心も、燃えて消滅した様に感じてた。
あたしが心を取り戻したのは、家に帰った時に、届いていた峰岸からの手紙だった。
いつものレポート用紙じゃなくて、薄いピンクの上質そうな紙に綴られた峰岸の想い…便箋にびっしりと書き詰められた、出発前の峰岸の想い……。
それを読んだ時、初めてあたしは泣いた。
泣いて泣いて泣いて…真夜中を過ぎても泣き続けた。
涙で脱水症状が起きるんじゃないかってくらいに…泣き続けた。
そして、思った。
やっぱり、峰岸が好きだ。
好きだけど……もう手が届かないと…気付いた。
強くならなきゃいけない。
そう、思った。
峰岸の乗ったシャトルは、耐熱タイルか何かの影響で、大気圏内突入の際の高熱に耐えられず…とか何とかテレビでは言ってた。
よく、わからなかった。
ただわかるのは、峰岸がそばに居ない事、もう帰って来ない事、それに対する現実感がわいてこないまま、空しくても悲しくても、張り裂けそうな胸の激痛にも…泣けないあたしだけだった。
峰岸の乗ったシャトルと一緒に、あたしの感情も心も、燃えて消滅した様に感じてた。
あたしが心を取り戻したのは、家に帰った時に、届いていた峰岸からの手紙だった。
いつものレポート用紙じゃなくて、薄いピンクの上質そうな紙に綴られた峰岸の想い…便箋にびっしりと書き詰められた、出発前の峰岸の想い……。
それを読んだ時、初めてあたしは泣いた。
泣いて泣いて泣いて…真夜中を過ぎても泣き続けた。
涙で脱水症状が起きるんじゃないかってくらいに…泣き続けた。
そして、思った。
やっぱり、峰岸が好きだ。
好きだけど……もう手が届かないと…気付いた。
強くならなきゃいけない。
そう、思った。