峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
季節はめぐり、また夏が来た。


都会の夏も暑かったけど、地元も暑い。


やっぱり、夏は全国的に暑いんだね。








「永山さん、お昼どうぞ〜」

「はぁい」



駅ビル内の洋服屋。

整理中の服をたたんで、あたしは昼食時間に入った。



一階のパン屋で、サンドイッチとオレンジジュースを買い、袋を手にビルの屋上へと昇る。



屋上は子供の遊具広場になっている。


平日だし暑いし、さすがに誰もいないけど。




隅のベンチに座り、サンドイッチにかぶりつく。




峰岸の乗ったシャトルの事故から、数カ月が過ぎた。


事故当時は騒いでたテレビもめっきり静かになった。


シャトルの構造がどうの点検の不備がどうの…色々騒いでいたけれど、重要なのはそんな事じゃなくて、その事故で峰岸を含む七人の宇宙飛行士達が死んでしまったって事だ。


そりゃあ、二度と同じ事故が起こらない様にするのは当然だよ。


けど、世の中1番大事な事を忘れてるって思ったら、見る気も無くなった。




あたしは、今も頑張ってる。

悩まずここまできた訳じゃないけど…今だって完全じゃないけど…頑張ってる。
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