峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
「うん……わかる」

「やっぱり?!永山はいつも分かってくれる〜!多分、俺の夢を1番理解してくれてるのって永山だよ」




違うよ、峰岸。


あたしは多分、半分も理解していないかもしれない。

分かっているフリをしているだけ。


峰岸にとって、1番近い友達で居たいから、そう言ってるだけなんだよ。



あたしは、ずるいんだよ。



本当はね、峰岸。


あたしはいつも怯えてる。

峰岸が、一人で大人になって行っちゃう気がして。




いつか…こうして並んで歩けなくなるんじゃないかって。




だって峰岸は、宇宙以外を見ていないから。


誰の事も見ていないから。



足元も、過去も見ないで、いつも空を宇宙を…峰岸は見てるから。



あたしが置いて行かれてる事にも気付かないで、きっと峰岸は、遠くまで行っちゃうよ。




近くに居ても、友達でも、こうして並んでいる今でも……遠いよ。

峰岸は遠いんだよ。



1番理解してくれてるって言ってくれる峰岸。


嬉しいけど………。




1番って、こんなに遠いの?
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