六色の色




それは私が中学生の時だ。私の初恋の人は・・・儚かった。
その相手は私の親友と付き合い始め、私の恋はあっけなく終わった。
その日から私は決めた。
もう、思い上がるのはやめよう。これからは―――。




桜の舞う季節。ピンク色の道になりかけている通学路は今日も人がいっぱいだ。
そんな桜に「いいクラスになりますように」と願いながら登校する六。
そう、今日は新学期だ。新しいクラスと学級になる六は1年生の時のようなクラスになりたくない。六にとって1年生は「つまらない」学年だった。
2年生こそ頑張ろう。そう心に誓いながら校門へと目指していく。


「おっはよー!」
肩をたたかれ振り向くと六の友達の秋梨がいた。秋梨は笑顔でクラス表を渡してきた。
「今年ね、私と離れちゃったんだよねー。その代わりに兄がそっちに行っちゃったけど。」
「そうなの?」
六は自分の名前に目をすべらせる。2-1の36番。そこには自分の名前があった。そしてそのちょっと上には南雲夜翔という名前があった。
「あ、本当だ。翔君にはよろしく言っておかなくちゃ。」
「おー!あっ、でもヒマなときは遊びにいくし部活がない日は一緒に帰ろうね!」
「うん。じゃあ、頑張ってね。」


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