止まらない、この気持ち



2人雨のなか一緒に並んでうちまで帰った。


送ってくれるなんて思いもしなかったよ。


栗野ってこんなに背高かったっけ。


いつも歩いてる帰り道は、今までで一番短く感じた。
毎日友美と通ってるはずなのに違うように見える。



すぐついて、「上がってく??」って聞いたら「すぐ帰るよ。」って言われた。

そうだよね、こんな時間だし。


「明日ちゃんと返すね。」


「あー、そんないつでもいいよ。」


「ダメだよ、ちゃんと返す!」


「わかった、じゃ俺すぐ帰る。遅くなって悪かった、じゃまた明日な。」


「あたしのほうこそ、今日は勉強教えてくれてありがとう。テスト頑張るね、じゃまた明日ね。」



そういって、あたしは栗野が帰っていく姿を見えなくなるまで見ていた。






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