止まらない、この気持ち
それからあたしたちは夏織ちゃんと友達になった。
これをきっかけにあたしの想いも完全にふっきれると思う!!
夏織ちゃんはすごく素直でいい子。
毎日3人で過ごすようになった。
ある日栗野に話し掛けられた。
「市原、ありがとな」
「えっ!?なにが??」
あたし栗野になんかしてあげたっけ??
なにもしてないんだけど。
「夏織のことだよ、夏織なかなか友達できなくて悩んでたからさ。最近市原たちと仲良くなれたって喜んでたし。夏織よろしくな」
「………うん」
あたしは一生懸命に笑った。
やっぱなんだか胸が苦しい。
栗野にそんなこと言われて、感謝されても嬉しくない。
胸がチクチクして痛いよ。
栗野はそういった後、走っていってしまった。
あたしはその背中を見つめ、その場から動けなかった。
しばらくして友美に呼ばれて帰った。