あなたに映る花
目を見開く私に、間宮様が苦笑いした。
「説明は後でしてあげるから、その娘(こ)を解放しよっか?」
疑問は残るけど、彼の言葉に私はそっと彼女の手を離す。
けれど、腰が抜けてしまったのか、その場から動こうとしなかった。
…仕方ない。
「掴まってください」
そう告げると、彼女の手を取り引っ張る。
「キャッ!!」
――私の行動が予想外だったのだろうか。
足に全く力を込めていなかったようで、私の方へ倒れ込んでくる。
「……っと」
何とか受け止め踏ん張り、彼女の顔を覗き込んだ。
「大丈夫ですか?」
すると彼女は何故か俯いてしまう。
……恐がられたかな……?
何とか安心して貰おうと、彼女の熱い頬を包んで微笑みかけた。
「…気をつけて下さいね?」
すると――
「――っ!!」
さっきよりもずっと赤くなった彼女は、脱兎の如く走っていってしまった。