あなたに映る花
しばらく誰も口を開かなかった。
やがて景くんが、さっきとは打って変わった心配そうな表情を浮かべ、あたし達を見た。
「お怪我は、ありませんか?」
「う、うん…」
あたしが恐る恐る頷くと、景くんはホッと息をついた。
「よかった…。申し訳ありません。皆さんを危険な目に合わせてしまって…」
「いや…別に…」
「危険っつうか…アンタの行動がキケン…」
良太の言葉に、拓真がコクコク頷いた。
「凄かった…。強いんだね、君」
その言葉に、景くんは何故か泣きそうな顔をした。
「…ありがとうございます」