あなたに映る花
突然暗転する視界。
身体を包む力と温もり。
「……間宮。テメエは後で殺す」
「やだなあ。弓鶴君は物騒なんだから」
何処か遠く聞こえる会話。
「……景」
「…っ!!!」
何よりも近くで響いた声に、段々頭がはっきりしてくる。
と同時に、今の状況を把握した。
私は腕に力を込める。
「何してるんですか!」
「抱きしめてんだよ」
……そんな、こと。
なんで……
「そういう、ことは…好きな人にして下さい…」
私の呟きも、この距離なら聞こえたのだろう。
彼が音もなく笑う気配がした。
「絶賛実行中だ」