あなたに映る花
「記憶…?」
それって、どういうコト?
意識じゃなくて、記憶…
「……景くんは、景くんじゃないってこと?」
私が聞くと、景くんはコクンと頷いた。
「私は『宮野景』として生まれました。ですが、その体(うつわ)に入っているのは、『宮野景』ではありません」
「つまり、体は『宮野景』っていう16歳の高校生でも、中身は名前も歳も性別も、全く別の存在…ってことかよ!?」
良太が元々デカイ目をさらに見開いて叫んだ。
「その通りです」
「そっかあ…。だから、あたしより年下なのに、マナ先輩より年上に見えたんだ…!」
「コラ佑!何言っとるう!」
マナ先輩がまたブーブー言ってるのを無視して、拓真が冷静に質問をした。