あなたに映る花
「うるさいぞ2年生ズ!誠二あんたもなんとか言って――って、あり?ヤツはいずこへ?」
「誠二先輩ならプリン買いに売店行きましたけど。それより、新しい部員って…?」
あたしが聞くと、麻奈美先輩はバッとこっちを見た。
「よくぞ聞いてくれた泉堂佑(せんどうゆう)!」
「…はあ…」
「入って来てくれたまえ!」
マナ先輩が扉にむかって声を掛ける。ギイイィ…と古臭い音をたてて、小柄な人影が入ってきた。
「…へえ?」
いつもは冷静な拓真が、面白そうに声をあげる。
そこに立っていたのは、160㎝くらいの男の子。ショートカットの黒髪に、少し潤みがちな淡い色の大きな瞳。悔しいが、あたしより色白で華奢だ。
「…確かに、マナ先輩がヨダレ垂らして欲しがりそうな上モノっすね…」
「でしょ!?」
…いや、肯定するなよ。