あなたに映る花
「完璧よ!」
「へ~え。後輩ズは?」
誠二先輩はあたし達に目を向けた。
「そうっすね~…なんか、キレイっつうか…」
良太が曖昧な意見をだす。それを拓真が少し補足した。
「舞台では顔が良く見えませんけどー、遠くから見ても『美』のオーラが出ているというか…」
「なるほど。佑は?」
おうっ
そこであたしに振りますか。
「…そうですね…」
チラッと景くんを見ると、やっぱり綺麗な微笑みを浮かべていた。
「何て言うか…ひとつひとつの動作に気品がある…っていうのかな。儚い美少年だけど、強い芯が通ってるとか…そういうのが似合う気がします」
「ん~なるほど~。じゃあ美香に教えとかないとね」
「…?美香って誰ですか?」
景くんがあたしに聞いてきた。
「脚本書いてる先輩だよ。出演もするけど」