あなたに映る花
「出演もなさるんですか?」
「うん。ウチの部はメンバー少ないからね」
「マナ先輩が厳しく選抜してるからねー。4月はいつもオーディションだけでてんてこ舞い」
拓真の言葉に、景くんの顔が心なしか青ざめたようにみえる…。
「…私、入ってよかったんでしょうか…」
「いいんだよ!マナ先輩はともかく、誠二先輩がOKだしてんだから」
「くおら良太ァ!部長は私だぞお!」
「誠二先輩に雑用押し付けといて何言ってんすか」
またキレかけたマナ先輩を、苦笑いの誠二先輩が宥めた。
「まあまあ。悪気はないんだから…」
「だけどさあ~」
「あらあら。また夫婦漫才してんの?」