あなたに映る花
あたしの言葉に、景くんはキョトンとした。
「お…女の子ですか?私…」
「え…?あれ…?違ったっけ?」
「いえ…あ、いや、その…何と言うか」
景くんが、両手の指を胸の前で交差させる。
「そんなこと、言われなかったので…その」
あたしのことを見て、ニコッと笑った。
「すごく、嬉しいです!」
…そんなに喜んでもらえるとは。
なんか、あたしも嬉しくなっちゃった。
「…とにかく、田沢のとこには行かないで。危険だから…ね?」
景くんは、まだ迷ったような顔をしてたけど、やがてコクンと頷いた。
「…はい。ありがとうございます、佑先輩」
「……うん」
「…なんて素晴らしい友情なのっ!」
突然美香先輩が飛びついてきた。
「景ちゃんの名前といいあんた達の友情といい、アタシの脚本にピッタリよ!」
「……脚本?」
「え?もうできたの?」
マナ先輩が目を丸くする。
あたし達も驚いた。
だっていっつもギリギリなのに…。