あなたに映る花
―――次の日。
あたし達は、いつものように部室の扉を開いた。
「美香愛してる~!」
……は?
「なんなんだよ?」
「マナ先輩の声だねー」
良太と拓真が首を傾げる。
あたしは、恐る恐る中に入った。
―――これは一体どういう状況だろう。
マナ先輩が泣きながら美香先輩に抱き着いていた。
あたしは、困った顔をしている景くんに声をかける。
「…なにこれ?」
あたしの顔を見た景くんは、あらかさまにほっとした顔をした。
「実は…昨日美香先輩から受け取っていた本がとても良かった、とかで……」
……なるほど。
いつまでも美香先輩にひっついているマナ先輩に、誠二先輩が声をかけた。
「マナ。二年生ズ来たよ?」