あなたに映る花
こっちを見たマナ先輩は……
「……ヒドイ顔してますよマナ先輩」
「だ、だっでぇ~」
出るとこ全部から水が出ている。
美香先輩があやすようにティッシュを渡す。
「ほら。みっともないから鼻拭きなさい」
「ん……」
マナ先輩がチーンと鼻をかむ。
落ち着いてきたマナ先輩に、美香先輩が優しく声をかけた。
「それで?脚本は決定?」
「ん…けって、ヒック、決定」
マナ先輩がこんなに感動するなんて。
「一体どんな話なんですか?」
「うん。はいコレ」
そう言って美香先輩が冊子を渡してきた。
「はい、って……え?」
それは、台本だった。
「もうできたんすか!?」
良太がめちゃめちゃ驚いている。
「うん。作ってきちゃった!」
ホントに行動力ハンパないよ美香先輩。
「誠二の許可はもらってるから。…ほら、景ちゃんの分!とにかく読んでみなさいよ!」
美香先輩にうながされるまま、あたし達はページをめくった。