あなたに映る花
「まあ、こんだけ魅力的なら、ねぇ…」
「…欲しがりますね、あの田沢なら」
そう言って、あたしは改めて新入生を見る。
すると、俯いていた目がフッとあたし達を映した。
そして、フワッと微笑う。
その笑みは、あまりにも柔らかくて、
触れたら、散ってしまいそうだったけれど。
「―やべえ、かも」
「これは、確かにちょっとキますー…」
「でしょ!?私もイチコロで☆」
マナ先輩はそう言うと、新入生の背中を押した。
「ホラ、自己紹介して!」
彼はちょっと戸惑ったようだが、すぐに笑い直し、初めて口を開いた。