あなたに映る花

マナ先輩が呆れた目で美香先輩を見る。

「……あんたねぇ。まず景くんの意思を聞きなさいよ」

そう言って、景くんの前に立つ。

マナ先輩は、景くんの手をそっと取った。

「……景くんは、どうしたい?」

景くんが、不安とか怯えとか、色んな感情が入り混じった目でマナ先輩を見る。

景くんが聞きたかったことを先取りするようにマナ先輩が優しく続けた。

「別に私達はいいのよ?もし景くんがやるって言うなら願ったり叶ったりだし、途中で役を放り出したり、主役としての責任から逃げたりする子じゃないって思ってる。だけど、景くんがやりたいって思わなかったら、役も生きられない。だから…」

マナ先輩の眼差しが、景くんを包む。

「どうしたい?」


「…私…私は…」


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