あなたに映る花
「…そんなん、俺が納得いかねぇよ…」
消えそうな声を聞いた景くんは、突然くるっと三人の先輩を見た。
「マナ先輩。誠二先輩。美香先輩」
目まぐるしく変化する出来事に固まっていた三人は、突然話し掛けられたせいかビクッとする。
一番最初に復活した誠二先輩が、落ち着いた声音で言った。
「…何?」
景くんは、またふわりと笑いながら答えた。
「私に、衣装や髪型、化粧、その他の小道具――それらすべてを、任せては下さいませんか?」
それを聞いた美香先輩が覚醒した。
「え!?ウソ!?景姫役やらないの!?」
「はい」
景くんがはっきり答えると、美香先輩はへなへなとその場に崩れ落ちる。
「そ、そんな…アタシの中のイメージが…」
「すみません。ですが…」
景くんは、先輩とあたし、良太や拓真をぐるっと見回した。
「絶対に、皆さんキャストの方々をあの頃の人々にしてみせます!だから、どうか……」
景くんは、深く頭を下げた。
「やらせて下さい!」