あなたに映る花
そんな景くんを黙って見ていたマナ先輩が、ニコッと笑う。
「私、やる気のある子は大好きよ!貴女なら、任せられる」
そしてその目を良太に向ける。
「ね?良太」
良太はしばらく茫然としていたが、やがて強く頷いた。
「…俺も賛成します」
ぼそっと言ったのは、拓真。
景くんが拓真を見る。
拓真はふっと笑った。
「…ああまでキレた良太に真っ直ぐぶつかった奴なんて、俺達以外じゃお前が初めてだよ。――ありがとな」
景くんは、小さく顎を引く。
あたしだって景くんがやりたいなら賛成だ。
誠二先輩を見ると、彼は黙って頷いた。
それを見た美香先輩が、諦めたようにため息をつく。
「なによみんなして…」
「ゴチャゴチャ言ってないでさっさと賛成しなさい!」
マナ先輩がいらただしげに言う。
「ハイハイ。賛成賛成」
「ありがとうございます!」
そう言った景くんの顔は、本当に嬉しそうだった。