あなたに映る花
「…っごめん佑!」
……へ?
「何が?」
訳がわからなくて聞くと、良太は拍子抜けしたみたいに変な顔をした。
「何、って…お前、怒ってないのかよ?」
「何が?」
「…いや…だから、その、……………さっき、俺、お前に酷いこと言った」
……
「…ああ。さっきのか」
まあ確かに酷かったけど…
「大丈夫だよ。あれをマジで言ってるなんて思ってないから」
「…ごめんな」
良太が申し訳なさそうに俯く。
あたしは、良太の腕を掴んで引っ張った。
「気にしないの!…ほら、帰ろ?」
困ったようにあたしを見ていた良太だけど、やがていつもの太陽みたいな笑顔で応えてくれた。
「……おう!」
「俺もいるってこと、忘れないでよね~」
拓真が呆れたように言うけど、顔は笑っている。
「…いこう、佑」
歩きだした拓真の背中を追うように、あたしは部室を後にした。