あなたに映る花
「ホーラマナ先輩!景くん困ってますよ!」
「い~やぁ~景く~ん!」
「気色悪い声出すんじゃない!」
「あ、あの…えっと…」
景くんはオロオロしている。その隙に、良太が彼を保護した。
「大丈夫!?」
「何されたのーあのバカに?」
景くんは困ったように眉をひそめる。
「先輩方の言ってらっしゃるようなことはありませんよ…ただ…」
バアン!
「「「へっ!?」」」
突然、扉が再び勢いよく開いた。
「…マナせんぱーい、何で田沢先輩がいるんですかー?」
そこに立っていたのは、件の田沢 泰明(たざわやすあき)だった。
相変わらずの端正だけど傲慢そうな面にニヤニヤ笑いを貼り付けた田沢は、ズカズカと部室に入ってくる。