あなたに映る花
え~っ…
…何だか泣きたい。
そりゃあたしはマナ先輩とか美香先輩みたいな華はないけどさ…
その反応はなくない?
「も~なんなのあんたたち二人はっ!」
あたしは今度は大股に一歩近づく。
すると良太が大きな声を出した。
「ち、近づくんじゃねえ!」
その瞬間、景くんが弾けたように笑い声を上げた。
「ふ…ふっ…く…もうダメ…息…できな…」
そして、良太と拓真の肩を叩く。
「お、お二人とも…いくら佑先輩がお綺麗だからって、そんな…」
…え?
「…どーいうこと?」
首を傾げるあたしに、景くんはとんでもない答えを返してきた。
「良太先輩も拓真先輩も…佑先輩のお姿に照れておられるんですっ…」
………はあっ!?
あたしが二人を見ると、さっと目を逸らされる。
「……こんな反応する奴らがそんなこと思ってるわけないじゃない」
「いえ…それは…」
景くんはそっぽを向いている二人に目を向けると、悪戯っぽく笑った。
「真っ赤になった顔を、お見せしたくないんだと思いますよ?」