あなたに映る花
……何よ…!
「拓真はなんでそんなに冷たく言えるの!?」
あたしの中で、女としてのなにかがプツンとキレた。
「さっきから聞いてりゃ景くんが酷い目に合うだの景くんじゃそいつを攻撃できないだの……!言うだけ言っといて、何その他人事みたいな態度!!」
声が大きくなりそうなのを、必死で抑える。
「そうやってグチグチ言うんならねぇ、『景は俺が守る』とか言ってみなさいよ!!『青年』みたいに!!!!」
二人は、突然キレたあたしに目を丸くしている。
その顔を見て、あたしは強く言い切った。
「男だったら女の子一人くらい守ってみせなさいよ!」
「「………それだ!」」
良太と拓真が、顔を見合わせて声を揃える。
あたしはまだ怒り覚めやらぬまま、眉をひそめて二人を睨んだ。
「…は?」
意味わかんないんだけど。
そう言うと、良太が面白げにきらめく瞳をこちらに向ける。
「景のこと、幸せにしてやろうぜ!」