ほのかとひかる
涼の思い
「…か!ほのか!」
陸君の声にはっとする。
「本当に大丈夫かよ?」
あ、そうだ陸君いたのに勝手に一人の世界に入ってて…
「ごめん、ちょっと昔思い出してた」
あたし、しっかりしなきゃっ。
ぽんってほっぺを叩く。
「昔かぁ、懐かしいよなぁ」
「ねっ。あの時はいろいろ大変だったなぁ」
「たしかになぁ。俺もいろいろ辛かった」
そうだ…。
みんなこうやって辛いのを我慢してきてるんだ。
そうやって大人になってく。
あたしだって
はやく成長しなきゃいけないのに…。