ほのかとひかる
あたしが連れて来られた場所は
人がいないようなところ。
「ごめん、呼び出しちゃった」
「ううん…」
いつになく明るい涼の声。
あたしの中に不安の二文字がよぎる。
「あのね、あたしりんごあめスキなんだけど」
あたしはなにもいわずに聞いた。
「甘くてさぁ、口のまわりべとべとになるけどなんかやめられなくて……」
最後のほうが声が小さくなる。
「…あきらめようとするのね…
これ食べたら洋服汚れちゃうから…食べちゃだめだって……
洗濯もあたしがするんだから食べないほうがいいのに…
でも………やっぱり手を伸ばしちゃうの……
それでっ…それでっ……」
あたしは思わず涼を抱きしめてた。
涼はやっぱり泣き出していたー…。