ほのかとひかる






「いつだったかな…
気がついたら好きだった」


ぽつりぽつりと話し始める陸君。






「昔っから、男と全然話さないほのかが、

唯一話してくれてたから自惚れてきな?
小六まではそう思ってた」





階段を一段ずつ上がっていく………





「でも中一になったらほのかは冬哉と話してて気がついたら付き合ってた。

付き合ってるって気づいたときは大ショックだったなぁ。

おかげでほのか忘れようと女の子と付き合ったけど
だめだったし…」





そうか…
だからあたしが冬哉にフラれたとき…

彼女と別れたあとだったんだ…



陸君は笑いながらも泣きそうで






「でも諦めきれなかった。
高校はいってもしかしたら………

ってチャンス見計らってたけど、
佐伯に取られて……」






今にも涙が溢れそうな顔して





「悔しかったんだけど……」





涙がこぼれるっ……………



そう思ったとき………










ギィッーー





屋上の扉が開いた。





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