双子様の恋愛
本気で好きな奴の家族には本気で気に入られたいし大切にしたい。





「お前、家族は?」

「いませんよ〜。」

「…は?」

「結構昔から施設です。少しは記憶あるけど。」

「記憶?」

「父親は酒と暴力と女。母親は反抗するように男、男、男。別れることになったら、どっちも俺を引き取るのを嫌がって母親に連れられて施設です。」






この記憶は俺にとって壮絶でもなんでもなくて、小さい頃にインパクトが強すぎて忘れられないただの記憶だった。





陽に言われるまでは。






「今はどこに暮らしてんの?」

「マンションです。」

「疾風のマンション、駅前のあのデカイとこだよ!!」

「あんなとこに1人か?」

「はい…?」





まぁ、確かに広すぎだけどおかしくはないよね?





「…。おいコラ、疾風。」

「はい?」

「やっぱまだ認めねぇ。」

「は!?」

「ちょっと弘クン!?」

「だから!!俺が出てけっていうまでココに住み着け。わかったな?」





言ってることはかなり無茶苦茶。




でも…これって弘さんなりの優しさだよね?





泣きそうなくらい嬉しいんですけど…!!




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