双子様の恋愛
*來堵



疾風さんが施設育ちなのは知ってたけど、まさかあんな両親の記憶があるなんて思わなかった。





だけど、憧れてる疾風さんが住むことになったし。





莉乃とのことも認められたみたいだし。




楽しそうだし。





良かったよな?





時間も時間になって、菜架を家まで送ることにした。




「送り狼になるなよ♪」

「うるせぇよ、弘夢!!」

「大丈夫だよ、來堵はお互いの家に挨拶済ませてるくせに手を出せないヘタレだから♪」

「え、まだなのか!?それ傑作!!なぁ、咲樹菜〜聞けよ!!」

「莉乃も弘夢も黙れ!!」






送りに行くだけでここまで言われるとはな…。




菜架だって顔真っ赤だ。





ったく、莉乃にまで飲ませやがって…。





「菜架、気にすんな。行くぞ?」

「う、うん!!」





外に出ると、もう結構暗い。





「もうあんま寒くねーな。」

「そうだね。」





手を繋ぐことは当たり前になったし、菜架も手を繋いだりキスくらいじゃ動揺しなくなった。




嬉しいけどなんか寂しいような?





「はは疾風さん…ビックリしたね。」

「あぁ…。」

「あたしの両親あんなだから、想像も出来なかった…。」

「しなくていいんだよ。」





疾風さんだって、今まで莉乃にも言わなかったのは辛い気持ちになってほしくなかったから。





多分そうだと思う。






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