双子様の恋愛
でも陽にあげたかったのはまぢ。




だって慣れ親しんだこの部屋を知らない人に使われたらさみしいし。





陽も喜んでたし。






「じゃ、引っ越し開始!!」





咲樹菜さんのかけ声で段ボールの大移動が始まった。





咲樹菜さんの高級車はかなり広いから、俺の少ない荷物なら運べるって言うから業者は呼ばなかった。






一時間くらいで、荷物は車に収まった。






「じゃ、家に帰ろっか♪」

「あ、俺莉乃と歩いて帰る。」

「…わかった♪気を付けてね!!」

「俺もコンビニ言ってくる。」






咲樹菜さんも陽もなにかを感じ取ってくれたみたい。





菜架ちゃんは期待を裏切らないなぁ〜。








誰もいなくなった部屋。





いつにも増して殺風景。





「ねぇ、この部屋で疾風といっぱいキスしたよね。付き合ってないのに!!」

「あはは、それだけ言ったら聞こえ悪いじゃん。普通に話しもしたよ。くだらない話。」

「…そうだね?」





莉乃との思い出はここに詰まってる。





中学生と社会人なんて、世間にバラせない付き合いだし。





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