双子様の恋愛
莉乃ちゃん…。




気づいててくれたんだ。





「來堵は仕事でワガママなんか言わないから、言っても撮影は止めなかったかもしれない。」

「うん。」

「でもさ、菜架リンも撮影止めろって言いたいわけじゃないんだから、『妬くけど頑張って』って言っちゃえばいいんだよ!!」

「うん。」

「來堵、今日ははやく学校行ってるからもういるんじゃない?」

「うん!!莉乃ちゃん、ありがとう!!」





あたしは小走りで教室に向かった。




莉乃ちゃんが言った通り、來堵はもういた。





「ら、來堵…。おはよう」

「あぁ…。」





元気ない…?




どうしたんだろ?





「來堵、あの写真なんだけど…。」

「あぁ、見たの?」

「う、うん…。あたしね…!!」

「菜架なら妬かないだろ?俺のこと、どこまで好きかわかんねぇし。」





そう言って軽く笑った來堵。




なに…それ?




意味わかんないよ。





「なな何言ってるの…?」

「言ったまんま。」





そんな風に…ずっと思ってたの?




気持ちだってそんなもんだって…?





「…………い…。」

「なに?」

「もういい…!!」





あたしは教室を走って飛び出した。




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