双子様の恋愛
佐野さんにまで、気ぃ使わしてしまった…。




普段はもっと怒るから。





「疾風…。」

「大丈夫、陽。俺は大人だから、ちゃんと受け止める。」





きっと…別れたんだ。





当たり前だよな。




今、人気が今まで以上にあがってる莉乃を潰すわけにはいかないから。





それでも俺は莉乃が好きなままだ。





どんだけ女々しいんだよ…。






「疾風!!危ない!!」

「え?」




顔をあげたら、俺の方にボールが向かってきてた。





その瞬間、陽に突き飛ばされて、なんとか避けられた。





「大丈夫か?」

「陽、ありがと。」





情けねぇ…。





「疾風、大丈夫か!?」

「悪かった!!大丈夫か!?」

「はは、大丈夫…。」





心配かけてばっかだ。





こんなの、普段なら受け止めて投げ返すのに。





「疾風。」

「佐野さん…。」

「お前、今日はもう帰れ。ケガしねぇうちに。んで、明日は休め。わかったな?」

「…はい。すいません…。」





俺、最悪…。





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