双子様の恋愛
「ほんとに会うの…?」

「会う。俺だって会いたくないけど。」

「無理しないで…。」

「してない。」







莉乃はもちろん賛成なんかしない。






俺が逆なら同じことする。









「疾風の居場所はもうあるよ?」

「ちゃんと帰ってくるから。」

「うん…。」








莉乃はなにを心配してんだか。






俺は消えたりしない。






昔とは違うから。









「明日、練習終わったら行ってくる。」

「うん。わかった。…待ってるからね?ほんとは一緒に行きたい気持ち抑えてるんだから!!」







涙目な莉乃。






でも莉乃をあの人に会わせたくない。







俺の心の拠り所をあの人に壊されたくない。







「今日はもう寝るか。」

「…おやすみ。」

「おやすみ。」







俺は自分の部屋に戻る。






その途中で弘さんと咲樹菜さんに会った。







「決めたか。」

「決めた。明日行く。」

「そうか。」

「疾風のご飯、作って待ってんだからさっさと帰ってきなさいよ。」

「わかった。…ありがとう…ございます…。」







きっと大丈夫。





そのために落ち着こう。







< 314 / 425 >

この作品をシェア

pagetop