双子様の恋愛
「俺…トイレ。」







トイレが終わって戻ると、話し声が聞こえる。







「ーーうん、うん、そう。もうちょっとで落ちる。ふふ、大丈夫よ。落ちればこっちのもの。あとは母親としてお金もらいまくるから。」






待てよ。






どういうことだ?







「わすれてた息子がまさかこんな金づるになってるとはねー。」







金づる。





忘れてた。






そうかよ。





頭の中でなにかがキレた。








「今話してんのが彼氏か?」

「は、疾風!?うん、そうなの。代わる?」

「あぁ。」





受け取った携帯。





なにも聞いてないわけないだろ。







「もしもし。」

「君が里美の息子か?よろしく。」

「よろしくって…てめぇらに渡す金なんか一円もねぇんだよ。俺にたかるな。」







それだけ言って電話を切った。





なんだよ、マンガみたいなこの展開は。






ついてない奴はとことんついてない決まりみたいだ。







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