双子様の恋愛
疾風の病室の前で深呼吸。






「疾風。」

「莉乃?」

「疾風、さっき弘くんから聞いた。」

「ああ、あの女のこと?」

「うん。」

「天罰だろ。バカみたいだよな。」





うすく笑いながら言う疾風。






陽さんは黙って出て行った。








「疾風…あのね、疾風が考えてることとか、悩んでることとか、ほんとの気持ちとか、全部聞かせて。莉乃じゃ頼りないのかもしれないけど…疾風の力になりたいの。」

「あの女のことを莉乃が背負わなくていい。莉乃があんな女のために考えなくていい。」






あぁ、そっか。






疾風は莉乃のために言わなかったんだね。






莉乃のこと、好きでいてくれてるから言わなかったんだね。






でも、莉乃だって疾風が好きだから。





一緒に背負わせてよ。





全部まとまて疾風でしょ?





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