X'mas☆stories


「ねぇ。おじいちゃんはサンタなの?」






目をくりくりさせたかわいらしい女の子は、興味深々に俺に聞いた。





長谷川郁斗(はせがわいくと)(23)


ただいま会社のキャンペーンで風船配りしています。




「残念。俺はおじいちゃんじゃなくてお兄ちゃん。
サンタさんは君たちにプレゼントを配る準備で急がしーの。」


「なんだ。またニセモノかぁ……」





なんだとはなんだ。


少しイラっときたけれど、あまりにも悲しそうな顔をした女の子にそんなこと言えるはずは無い。


てか、マジでこの子かわいい。変な意味とかじゃなくて純粋に。






しゃがんで目線を同じにする俺。



「はい。」



そう言って赤い風船をその子の指にくくりつける。



「ニセモノサンタからのプレゼント。」


「わぁ……っ。」




たちまち笑顔になるその子。めっちゃ和む♪




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