X'mas☆stories








─────え?






「冗談だろ……?
んなこといきなり言われても……」


「ごめん……
妊娠が見つかったの郁斗と別れ話がもちかかった時期だったの。」





そう言って自分のお腹に触れる優華。


その手は小刻みに揺れている。
















「何度も言おうと思った。
だけど、郁斗の夢を壊しちゃう気がして言えなかった
怖かった……


郁斗に話して郁斗があたしの前からいなくなっちゃうのも、新しい命を自分のことのために奪ってしまうのも……。」





出来なかった……。


唇をかむ彼女。

俺の知らないところで、小さな優華はこんなにも大きなことを1人きりで背負っていたんだ。






< 44 / 89 >

この作品をシェア

pagetop