X'mas☆stories
そうして俺は行きと帰りを毎日優華と歩いた。
好きだからじゃない。
純粋に困っている人をほっとけなかった。
「………郁斗くん。」
俺の服のそでを引っ張ったのは相談をうけたその日の帰りだった。
「後ろ……いる。」
微かに動く口の動きをよんだ俺は、目の前にあったカーブミラーをみた。
物陰に隠れて、見え隠れしている帽子のつばがそこには映っている。
「後ろむかないで。
そのまま前をみて歩くんだ。」