X'mas☆stories
俺はさっきの出来事を思い出した。
悲しそうに潤む茜ちゃんの瞳。
それを思い出しただけで胸をえぐられた感覚になる。
「俺が……そばにいなかったせいで……っ。」
優華も、茜ちゃんも、俺が2人の人生を苦しませていたんだ……。
自分の将来を優先して、2人のことをまったく考えられなかった。
好きだった優華さえも踏み台にして自分の人生を選んだ……。
「郁斗。あたしは郁斗がうまくやれているなら何も求めないよ。
今のあたしには茜がいるから、寂しくないよ。
だから、あたしたちのことは忘れて、自分の人生を生きて?」
「………そんなこと、できないっ
俺の子供でもあるんだ……目の前に父親がいるのに茜ちゃんは父親を探し続けているんだ……
俺はもう……あんな身勝手なことをして、またお前を困らせたくない。」
「郁斗………?」
決めたよ。
優華。