X'mas☆stories
「何がまたなの?」
「え?もしかして声出てた?」
「うん。ばっちし。」
ひかりは超ドライな性格。
男の子みたいだけどすっごく素直で頑張り屋さんなんだ。
「で。何がまたなのか聞きたいんだけど。」
「あ、うんっ。実はね……紅くんが最近なんかおかしいの。」
「おかしい?」
いつもあたしたちの様子を見守ってくれるひかりにも、それはわからなかったようだ。
「うん。
ここ最近なんだけど、今みたいに言いたいことがあるのにやっぱいいいや、みたいな感じなの。
言いたいことがあるはずなのに、なかなか言ってくれないことが増えてさ……
それ以外は別に普通なんだよっ。
デートしててもいつもみたいに優しいし、家にきて勉強教えてくれてたり。
でも、言いたいこと言ってくれないのは珍しいから、気になちゃって……」
うーん。
何でだろう……全然心あたりもないしなぁ……。
「あ、そういえば。クリスマスは彼氏とのデートがあるんでしょ?」
「うん。とりあえず企画はたててるけど……」
「そーゆーことか。」
「え?ひかり何かわかったのっ?」
「いや、別に」
表情を崩さないひかり。
こういう時のひかりの顔は特に読めない。